02/04(日) 12:48:53,純平@管理人,junpei04@ybb.ne.jp,テスト,
テスト
,http://www.journey-k.com/~brpg-la0621/index.htm,,05:08&1-2::1,ok 02/25(日) 22:56:34,GM−美詠,,おはなしのはじまり(2),
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事件の発端は、数日前に遡ります。

市街の一角に居所を構える元商人のエンベーロは、いつものように、自室に飾られたアンティークな骨董品の数々を
丁寧に磨いては眺め、眺めてはさらに丁寧に磨く…といった作業を行い、満足して床につきました。
普段であれば、一度眠ると使用人に起こされるまでぐっすりと眠るはずのエンベーロですが、この夜は違いました。
それは、真夜中の事…。


 …くす、…くすくす


自分の傍らで、何か声が聞こえたような気がして、エンベーロはふと目を覚ましました。

 エンベーロ:「…ん、む?」

ねぼけた目をうっすらと開き、眼球を左右に動かしますが、あるのはただ真っ暗な暗闇だけです。
空耳だろうか?などと思考をめぐらせる間もなく、すぐに睡魔が押し寄せて来ます。
エンベーロは、重たくなったまぶたを閉じて、再び眠りにつこうとしました。
しかし…。


 くすくす…、くすくす…


またもや声が聞こえ、エンベーロは眠りの淵から呼び戻されました。
今度は、はっきりと聞こえました。しかも笑い声です。
エンベーロはおそるおそる身体を起こして、何も見えない暗闇に視線を泳がせながら、声を絞りだします。

 エンベーロ:「…だ、誰か、そこに居るのかね?」

しかし、エンベーロの問いかけに、返事はありません。
しんと静まりかえった空間で、自分の胸の鼓動だけがやけに耳に残ります。
やはり気のせいだろうか?と思った、次の瞬間。


 うふふっ!


不意に沸き起こった笑い声に、エンベーロは心臓が口から飛び出しそうなくらいどきりとしました。


 うふふふ! ふふふっ!


笑い声は徐々に大きくなり、辺りにこだまします。
すると続いて、エンベーロが横たわっている寝台の足元の方に、ぼんやりと白い靄が浮かび上がりました。
そして、その白い靄の中には、うっすらと人の姿を模した影が…。

 エンベーロ:「…っ、ぎゃあーーーあぁあーーーっ!!」

エンベーロの記憶は、ここで途絶えました。

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 ウィド:「………」

 レウニール:「ふーん…。その親父が見たっていう白い靄が、幽霊ねぇ…」

クレマナから話を聞いたレウニールは、頬杖をつきながら、さほど関心のなさそうな反応をしました。
一方、ウィドは話をまともに信じてしまったのか、恐怖のあまり、無言で震えています。
思いの他ウィドが怖がっているので、それをなだめようと、クレマナは冗談話で締めくくるように笑って見せました。

 クレマナ:「ふふ、あたしだってそんな話、完全に信じちゃいないよ?
       …でもさ、うちの娘が放って置けないって言って、首を突っ込んだもんだから。
       つまり、あたしが気がかりなのは、そっちの方さ」

 レウニール:「そんな親父、助けたところで、別に得にも何にもならないだろうに」

レウニールの何気ない一言に、一転、クレマナの表情が曇ります。
そして、複雑な面持ちでため息をつきました。

 クレマナ:「困った人を放って置けないんだろうね。全く、止せばいいのにさ…」
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